何度も浮気を繰り返している場合、それは配偶者に対する不貞行為とみなされ、離婚を求める正当な理由となりますし、慰謝料も請求できます。

では、一度の浮気を理由として離婚することは認められるのでしょうか?

離婚というのは本人同士の自由意志で出来るので、夫と妻が同意すれば、どんな理由であれ離婚できます。

ただし、浮気をしたパートナー(夫・妻)が離婚を拒否している場合、裁判所が判断を下すことになり、ケースバイケースではありますが、認められない可能性が大です。

一度の浮気では不貞行為とはみなされないことが多いためです。裁判所に話を持ち込んでも、『夫婦でもう一度話会ってください』というふうに夫婦関係を修復することを奨めることが多いようです。

 

一度の浮気で離婚が認められるケース

ただし、下記のような要因が認められる場合には一度の浮気でも離婚を認められることがあります。

  • 1:長年別居しているなど、夫婦関係が破綻しているとみなされる場合
  • 2:結婚してから日が浅く、夫婦のきずなが強くなってないうちに、浮気が発覚し、夫婦の信頼関係が修復不可能になってしまった場合
  • 3:夫婦の価値観が著しく合わない場合
  • 4:嫁姑の関係など、夫婦間では解決出来ない問題が発生している場合

2~4というのは、元々問題が存在していて、浮気をきっかけに修復出来ない状態まで悪化してしまい、これ以上婚姻関係を続けるのは不可能というふうに判断されるというケースです。

判例としては希なようですが、こんなふうに一度の浮気でも離婚が認められるケースがあるということです。

離婚が認められにくい要因

逆に、下記のような状態である時には、裁判所から離婚を思いとどまるように説得を受けるケースが多くなります。

  • ・浮気をした本人が深く反省している時
  • ・小さな子供がいる時
  • ・もう一方(浮気をしたのが夫であれば妻)にも結婚生活のなかで反省すべき点がある時

子供がいる時というのは、子供の将来を考えて夫婦が一緒にいたほうがいいと判断される状況ということです。夫婦仲が極めて悪く、夫婦が一緒にいることで子供に悪影響を及ぼすと判断される状態では離婚が認められることもあります。

あくまでも、子供を第一に考えての判断となります。

 

一度の浮気で離婚が認められるには相当な理由が必要

パートナーの浮気が原因で離婚を決意する時には『裏切られた』、『許せない』という感情論が先に立つことが多いと思いますが、一度の浮気では感情論は認められないのが普通です。

結婚生活を維持するのが無理と論理的に判断される理由が必要です。