正式に離婚する前に別居という選択をする方もいると思います。ただし、パートナーに慰謝料を請求することを考えている人は、安易に『離婚』という言葉を口にしないようにしてください。

たとえば、離婚することを前提に別居しているという意志を明確にしたとします。(パートナーにも伝えているとします。)その場合、法的には夫婦関係が破綻しているとみなされることがありますが、そうなると、別居中に相手が浮気をしても、それを理由に慰謝料を請求することは出来なくなりません。

パートナーの浮気という性的関係が夫婦関係の破綻には関与していないとみなされるからです。慰謝料の請求を考えている人は、別居はしていても、夫婦関係が破綻しているのではないと思われるように行動しましょう。

離婚に迷いがある時や相手が離婚に応じない時、あるいは、衝動的な離婚を避け、これからの結婚生活を継続させる為の冷却期間として、別居を選択するというのはよくあるケースなので、こんなふうに言っておけば大丈夫です。

もちろん、振りだけではなく、実際に冷却期間をおくという意味で別居してみてもいいでしょう。状況は好転する可能性があります。

別居を行うときには、別居の理由を相手に知らせて、同意してもらう必要があります。勝手に家を出てしまったり、無理やり相手を追い出したり、相手からの復縁・同居の要求を拒否し続けた場合は同居義務違反となり、離婚原因の『悪意の遺棄』に該当することになります。

ただし、パートナーが自分や子供に暴力を振うといった命に関わるような状況では、緊急避難として相手の同意がなくても別居が法的に認められます。ただし、その場合には、自分自身の身を守るという意味でも、弁護士や役所など、第三者の助けを求めてサポートしてもらえる体勢を作ってください。

自分1人でパートナーに対処するのは危険です。